小さな幸せを大切に


by pureandstyle

娘の涙

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今日は娘のピアノの話を少し。
昨年のピアノ発表会以来、以前より少しずつ練習を長く続けられる様になった娘でしたが、最近また練習を嫌がるようになりました。先生のご指導がより細かくなってきた為です。
練習量が増え、以前の様にたださらっと曲を流して弾くだけでなく、多少なりともしっかり弾く様になってきたので、今度はより良い音を出す為のご指導をして下さる様になりました。弦楽器や管楽器と異なり、ピアノは鍵盤を叩けばすぐ音は出ますが、それだけに一つ一つの音をより良い音に響かせるのは難しいものです。力の入れ具合と脱力のコツを掴んで、指に良い音を出す動きを記憶させることが出来れば、自然に良い音を出せる様になるのでしょうけれど、娘はまだまだその域には達していません。なのでハノンやツェルニー(どちらも基礎練習の教則本です)の1フレーズ、それも左手だけをゆっくり弾かせ、一音一音響きをチェックし、良い音を出せていなければやり直し、というレッスンがずっと続いていました。家でもそういった練習をすることを求められていましたので、基礎練習、反復練習が苦手な娘はすっかり嫌になってしまったのです。

私もそれらの練習が嫌いだったので娘の気持ちは分かります。そういった練習をせず、本人が楽しいと思える曲を沢山弾くことで少しずつ無意識に力の入れ具合を習得する、という方法もあるのでは、とも少し考え始めていました。実際その様な練習法を提唱されている方もいらっしゃるようですし、先生ご自身ももしかすると娘にはその方が良いのではと悩まれていたようです。

今日のレッスンでも、また同じ練習が繰り返されました。
まだ指の形がしっかり出来ておらず、ほんの少し気を緩めるとすぐ元の音に戻ってしまうので、一音一音集中しないと良い音が出せません。1フレーズ出来たと思うと気が緩んで音が戻ってしまってやり直し、また少し進むと気が緩んでやり直し...ということが何度も繰り返されました。その何度目かの時に、娘がちらちらと先生の顔を見ながら弾いているのが見えたので、「集中しないといい音は出せないよ」と先生と私がほぼ同時に娘に言いました。もう一度弾いてごらん、と先生に促されたのですが、指を鍵盤の上に置いたまま弾こうとしません。先生に叱られた後時々そういう態度をすることがあったので、今回もそうなのではと思ったのですが、どうも様子が違います。どうしたの、弾いてごらん、と声をかけると、暫くした後突然娘が大粒の涙をこぼしました。

家ではぎゃあぎゃあと泣き叫ぶことも多々ある娘ですが、レッスン中に涙を見せることは殆ど無く、先生にどんなに厳しく言われても涙を見せたことは殆どありません。突然の涙に先生も私もびっくりしてしまいました。
今日は強く叱られた訳でもないのに、何故突然涙をこぼしたのか...それは娘が思う様に良い音を出せなかった悔しさから出た涙でした。先生がお手本を示して下さるので、良い音がどういう音かは分かるのに、どういう指の使い方をすれば良いのかも教えてもらっているのに、思う様に良い音を出せないことが悔しくてたまらなかったのです。でも涙を見せる程にそれを悔しいと思えたのは、娘が一歩成長した証拠。先生も私も、初めて見た娘の悔し涙に驚くと共に、その成長を思い、娘の悔しさを思い、気付くと2人共もらい泣きしていました。少しして落ち着いた後は元のレッスンに戻り、立ち直るのが異様に早い(!)娘はすっかり元気になっていましたが、娘も先生も私も、今日の涙はきっとずっと忘れないでしょう。

その後弾いた大好きなバッハの曲では、大分思う様な音が出せていましたし、やはり好きな曲で練習するという方法もあるのかも知れません。伸び伸びとやらせてあげたいという気持ちもありますし、その一方で小さい内に基礎力をつけておいた方が良いのではという思いもあり、悩みと迷いは未だ続きそうです。でもいずれにしても、今日の涙で娘はほんの少しですが一歩前へ進めた筈。今日のレッスンを忘れずに、これからも一緒に頑張っていこうと思います。




*来月のレッスン日程はこちらから*

by pureandstyle | 2010-05-28 20:53 | Family | Comments(0)